ロートレック荘事件

  • 2004.06.05 Saturday
  • 00:00
筒井康隆の推理小説の傑作。

筒井のらしさが非常にいい意味で出ている。ともすれば、過剰になり、美しさを欠くことも多い、前衛小説としての技法が推理小説という特殊な条件において文学的トリックとして活きている。まさに映像化不可能の傑作である。

19世紀前半にアラン・ポーが推理小説というジャンルを創始して、わずかに100年、大正年間には江戸川乱歩は「推理小説の全てのトリックは出尽くした」と嘆くに至った。この乱歩の嘆きは我々現代の推理小説の読者にはより深刻である。もちろん、推理の小道具はより増えた、プロファイリング、DNA鑑定、etc...  しかし、それらはより犯罪のトリックを制限し、作者に対してより大きな負荷を掛ける。

見よ!現代の推理小説を。それらはすでに、そういった科学犯罪捜査に対して、完全犯罪の成功をあきらめ、そういった、大仕掛けの犯罪捜査ができない場所、つまりは山荘や、孤島などでの犯罪に終始する姑息な犯罪者で溢れている。

それら姑息なトリックに対して、この小説でのトリックは新鮮で、読者を驚かせるのに十分である。もし読んでいない人がいたら、ぜひ、一度読んで頂きたい。

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  • 2019.05.02 Thursday
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    コメント
    読みました。最後まで字を追う私の両目と、ページを捲らんとす手先とを止めることは出来ませんでした。解説にある通り注意深く読まなければ、物語を見失う危険性すらある。一人称の怪奇。
    良い意味で志賀直哉言うが如く「読者に背負い投げを食らわせ」る作品です。
    • 極刑
    • 2004/07/31 1:06 AM
    でしょう。この小説はおもしろいっすよ。
    最後は「おい、そこかよ」って感じになります。
    • くわだ
    • 2004/08/01 9:05 PM
    俺があいつであいつが俺で…

    キャッ!
    • 極刑
    • 2004/08/01 9:21 PM
    すごいっすよ
    • 高木
    • 2004/12/01 1:52 PM
    これまじ感動するっすよ
    • すっぽんこ
    • 2004/12/01 1:54 PM
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    ロートレック荘事件 新潮文庫 筒井 康隆 作者に騙されたのか、単なる読者の主観的な勘違いなのか…。その境界を忘れてしまうほど、ページを捲らせる瞬発力がこの作品には内在する。注意深く読んでいるつもりになっている読者はついに錯覚に陥るだろう。私もその一
    • 思惟
    • 2004/09/11 11:40 PM
    筒井 康隆 「ロートレック荘事件」 ★★★ 夏の終わり、郊外の瀟洒な洋館に将来を約束された青年達と美貌の娘達が集まった。ロートレックの作品に彩られ、優雅な数日間のバカンスが始まったかに見えたのだが…。2発の銃声が惨劇の始まりを告げた。1人また1人、
    • 今日できることは明日でもできる。
    • 2007/11/09 7:47 AM
    はじめに  オフ会で話題にのぼった一冊だったので、読まなきゃ、という変な正義感に駆られて手を出した……んですが正直、僕の趣味には合いませんでした。筒井康隆がかなり変なも ...
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