覚悟のススメ

  • 2004.07.25 Sunday
  • 04:06
この漫画の好悪は人によって大きく別れるところらしい。私は好きである。

作品は大時代的な、若干汗くさいヒーロー物である。そして、時代遅れな、そして一見すればギャグにしか見えないような表現が頻繁に見られる。というよりも、この漫画のテイスト自体がその文脈の中にある。人によっては、これをただのギャグマンガだと見なすであろう。しかしながら、この漫画はただのギャグマンガではない。熟読すればわかることだが、作者はこれを本気で書いている。

こうした作品は得てして、読者と作者がすれ違い、両者のフラストレーションをためるだけのつまらない物に終わりやすい。しかしながら、この作者の素晴らしいところは自分の感性が人とずれていることを理解して、その上で、あえて、自分の持っている世界観を前面に押し出していることである。

この才能のために、読者と作者はすれ違わない。作者は一面では常識人としての思考を持ち続け、そして、常識と非常識の垣根を常に意識しながら、あえて、自分の内面世界を表現するためにその垣根を越える。そして、作者はまた、その内面世界が異端であり、理解されがたい物であると認識しているが故に、読者がそれについてこられるよう、さまざまな配慮をしている。

結果として、読者は作者の内面にある世界観を知ることが出来る。しかしながら、それがあまりにも異端であるが故に、やはり気に入るかどうかは人による。この作風ではしかたないことではあるが。

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  • 2019.05.02 Thursday
  • 04:06
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    コメント
    吾が方に迎撃の用意・・・ なし!

    次は海皇紀でもとりあげてください。
    • おぎくぼ
    • 2004/07/25 1:58 PM
    いえいえ、ジパングで。
    • まほ aka 空ー
    • 2004/07/26 12:46 AM
    >おぎくぼさま
    どもどもです。
    海皇紀は、、若干文学臭がなさすぎてここに書きにくいような、、覚悟のススメにそれがあるのかと問われれば、「ある!」といいたい、そんな今日この頃。

    >まほ
    というか、まほはジパング読むの?
    ねたでしょ?
    • くわだ
    • 2004/07/26 2:21 AM
    なるほど、「文学臭」というのはわからんようなわかるような、なかなか難しいところですな。
    entertainmentに徹した作品(「人間賛歌」とかの主張がないもの)ということなのだろうか。
    確かにkritikdotnet文体で海皇紀を斬るのは難しそうなのは判る。

    じゃぁ、ブラックジャックを「ギャグを中心」に斬る、というのは如何?
    • おぎくぼ
    • 2004/07/26 9:29 AM
    >おぎくぼさま

    それは面白げですね。近々やってみます。
    • くわだ
    • 2004/08/01 9:03 PM
    覚悟のススメは傑作中の傑作です。
    あなたとは感性があいそうだ。

    ジャイアントさらば!
    • シヴァ田
    • 2007/10/22 11:20 PM
    >シヴァタさん

    ジャイアントさらばって、、、マニアックすぎるでしょ。。。
    • くわだ
    • 2007/10/24 10:49 PM
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    独特な漫画。 時代は世紀末、荒廃した日本、東京での話。 主人公は高校生の葉隠覚悟...
    • アキラの書評
    • 2005/11/01 11:54 PM

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